2011年10月14日金曜日

第3回 個人プロジェクトプレゼン


今回のミーティングも、個人プロジェクトのブラッシュアップ案の発表でした。


■プロジェクト2 「Circles of Life」
ご家族と過ごされた時間を円にして描き、住んでいた場所によって色を変え、表現するというプランですが、実際に担当スタッフがイメージの絵を持ってきてくれました。

メンバーからは、お2人の関係性がどのように反映されているのがちょっと分かりにくいという意見や、岩井さんから、もっと人のぬくもりが感じられるものの方が、お2人の関係性を描きやすいと思うので、「きれいに」見せることだけではなくもう少し人生を歩んできた色々な味のようなものが感じられるもののほうが良いのではないかというアドバイスがありました。

今後は、いくつかパターンをつくってきていただいて、その都度メンバーからコメントをもらいながらブラッシュアップしていくということになりました。



■プロジェクト3「ランドスケープマップ」
懐かしさを感じる空間についてインタビューし、インタビューを通してそれぞれの大切な場所について考えてもらうことで、自分自身に出会い直してもらうというプランでした。前回、プランの方向性について悩んでいらっしゃいましたが、内容をもう少し自分でブラッシュアップしてこられました。

協力して下さる方にだけ何かをしてもらうのではなく、自分も描いて話して、自分はこうなんだけどあなたはどう?と聞いてみるなど、こっちも身を削る姿勢というのを持たないといけない。

「それぞれの人の心のなかの風景が人生に大きく影響を与えているというのが自分の論・仮説なのだけれど、そいういうものにちょっとでも触れられると、自分自身の人生が豊かになるんじゃないか」という風に考えていらっしゃるそうです。

インタビュアーの心の風景を通して我々自身が我々自身について出会い直してもらいたいというのがこのプランの目的と考えられます。

インタビューの方法は、絵を普段描かない人は抵抗感があるかもしれないので、写真を持ってきてもらって、それを題材に話して、少し補助的に描いてもらったり、場合によっては文字のみを書いてもらってもいいかもしれないということです。

岩井さんから、その人(協力者の方)がそこ(インタビューを行った場所)にいたという形跡を残しておいた方がよりリアルに様々な方の視点が映し出されて良いのではないかというアドバイスがありました。

今後は、インタビューを勧めながら、最終的な展示形態について考えていくことになります。



■プロジェクト4「世界風物詩巻」
プランの内容は固まっていますが、担当スタッフが「どのようなインタビュー方法でどのような質問をすればうまく面白い視点を引き出せるかが分からない。考えのきっかけになるような、引き金になるような例を考えたいと思っている。」ということでした。
ひとりで考えていてもちょっと悩んでしまうかもしれないので、とりあえず質問項目等をリストアップしてもらって、メンバーに相談して、コメントをもらえば良いのではないかということになり、来週ぐらいまでにリストアップした項目を発表してもらうことになりました。

インタビューしたい内容や、最終的に発表して見せたいもの、提示したいものがはっきり決まっていても、どのように協力者の方に質問したらその内容をうまく引き出すことができるのかということを考えるのは結構難しいです。

質問内容自体を理解してもらうのに苦労することもあるし、「普段そんなこと考えていないからあんまり思いつかないなー」という答えの場合もあります。また、インタビューするだけではなく、例えば昨年度のプランにあったように、協力者の方々にインスタントカメラをお渡しして、「日本のなかにある『母国にはないもの』を撮影してほしい」とお願いしても、協力内容自体がうまく伝わらなかったりすることもあります。 

このように、企画内容を理解してもらって、質問内容を理解してもらうまでにIMM個人プロジェクトスタッフは何度も協力者の方々とコミュニケーションを取る必要があり、そのひとつひとつのコミュニケーションのなかで我々IMMスタッフメンバー自身が、異文化の視点や考え方に触れ、「海外旅行」でさえも体験できない、本当の意味での異文化を体験することになります。

このような点にこそ、IMMの個人プロジェクトの意義や楽しさがあるのだと思います。



■プロジェクト6「記憶の中の祖国」
前回は祖国のイメージをインタビューし、それをデザインに描きおこすというプランでしたが、もう少し具体的なインタビューやお願いのほうが、協力してくださる方も協力しやすいし、よりリアルな視点を見つけることができるのではないかというアドバイスがありました。
それを受けて、今回は、「母国にいる一番会いたい人に、母国語で手紙を書いてもらう」というプランになりました。日本のポストと母国のポストがつながっていくイメージだということです。
このプランについて、「一番会いたい人には公開されることが想定される場では本当の気持ちは書かないのではないか?」というメンバーの意見から、「母国の面白い人とか、ちょっと気になっていた人に手紙を書くとかは?」など意見があがりました。

また岩井さんから、「我々が彼ら(日本で生活する外国人の方々)の生活に入り込む方法として、彼ら自身が普段気づかなかったことを提示するという方法がある。彼らに協力してもらうだけではなく、彼らが考えたことがなかった考え方を提示することも必要だ」というアドバイスがありました。

メンバーや岩井さんのアドバイスから、もう少し協力者の方もこのプランに新しい考え方に触れられて、もう少しリアルな視点や感情を引き出せる方法を考えてみることになりました。



【■プロジェクト1「あそびうた と あそぶ」(仮称)】、【■プロジェクト5物々交換or外国人体操】はお休みだったので、また今後報告していきたいと思います。

今後は各プランを練っていくので、全体ミーティングだけではなくて岩井さんと各スタッフの個別ミーティングも補佐で行っていくことになります。

また、次回のミーティングは
11月6日に武蔵小金井ではらっぱ祭りという、屋台や舞台などが催されるイベントがあるので、ミーティング後にそこにみんなでチラシと名刺を持って行き、協力してくださる方がいないか声をかけてみようということになりました。

今年も参加してくださる協力者の方々にたくさんお会いできるのが楽しみです。


2011年10月1日土曜日

第2回 個人プロジェクトプレゼン


前回のミーティングでそれぞれの個人プロジェクトのプランをプレゼンしてもらい、プランについてメンバーや岩井さんから色々なアドバイスや質問等が出ました。
それを受けて、今回はプランをブラッシュアップしてきてもらい、2回目のプレゼンを行いました。


■プロジェクト2 「偶然の類似(仮称)」→「Circles of Life」
前回「偶然の類似(仮称)」という、日本と外国にある似ているものをインタビューし、展示するという案を出してくださった方のプランですが、この方のご主人が外国籍の方で、ご主人がこの個人プロジェクトに興味を持ってくださっているということで、ご主人にプロジェクトに協力していただけることになりました。

なので、前回のプランから少し方向性が変わりました。タイトルは「Circles of Life」。

ご主人とご自分の過ごした年月を円で描き、過ごした国の色をつけ、成長するに従って円が大きくなるようなアニメーションのような作品をつくるというプランです。

岩井さんからは、国際結婚をしている方から見た視点というものも非常に面白いので、国際結婚をしている方によるプロジェクトのひな形みたいなかたちになれば、今後国際結婚をしている方が参加しやすいのではないかという意見がありました。

手も映るような手書きのアニメーションや、ご主人にその円を描いてもらってもいいのでは?という意見もありました。ご主人にも何らかのかたちで参加してもらえることになり、面白いお話や視点をお聞きできそうなプランになりそうです!



■プロジェクト4「世界風物詩巻」
このプランは取材内容、展示したい内容については前回のMTG時にほぼ決まっていたので、今日は具体的な取材日程や取材項目、展示案など、展示に向けての具体的事項について考えてきていただきました。

▽展示案
・展示形式
縦方向を緯度、横方向を1年の移り変わりに見立てた大きなフィールド(円環が理想)に、インタビューで得た情報を空間/時間ごとに配置する。
展示の簡単な解説が載った紙を置くか、カレンダー形式にして、持ち帰り使ってもらえるようにすると面白いかもしれない。

これは、取材によっては音が出てくるかもしれないし、何が出てくるか分からないという面白さがあります。視覚だけではなく、五感で感じられるようなものになればいいのではないか、またこの展示を見て面白いなと思ってくれた人が参加できるようなフォーマットをつくることも大事だ、という岩井さんの意見がありました。

またメンバーからは、10年ぐらい続ければすごく面白いものになりそうという感想や、「取材した提供してもらったものを私たちが知って、私たち自身がどう変わるのか?ということが大事だと思う。赤の他人と向き合うことは大変だけど、その大変さを我々もきちっと背負っていくことが大事だと思う」という意見がありました。

取材でどのようなお話が出てくるかがまだ分からないので、取材が終わってから最終プレゼンテーション形態を考えた方が良いかもという岩井さんのアドバイスがあり、最終形態が決まるのはまだ先になりそうですが、スケールの大きな立体的な展示になりそうで、最終プレゼンテーションがどのようになるかも楽しみです。



■プロジェクト6「記憶の中の祖国」
前回は、日本のなかで祖国を思い出すものは、日本の文化と祖国の文化が融合されて出てくるイメージなのではないか、それをデザインして展示するというプランでしたが、あまり融合されてはいないのではないかという岩井さんのアドバイスによって、少しプランが変更しました。

新しいプランは、日本にいると祖国のイメージははかないものになってしまうかもしれないが、そのなかでも祖国と聞いてイメージするものをインタビューし、それを絵にかきおこすというものです。

質問の内容がまだ抽象的なので、もっとピントをしぼった質問にしないと、答える人は答えにくいのではないかということと、絵をかきおこすとなると、答えた人は最終的なかたちがイメージできないから、不安に思ってしまうのではないか、という岩井さんからのアドバイスがありました。

もう少し具体的な質問の仕方として、「祖国に帰ったら一番先に会いたい人は?」とか、「祖国のイメージを教えてください」と言って、100番目に出てきた答えを表現するとかはどうだろうか?という意見がメンバーからありました。


【■プロジェクト3「ランドスケープマップ」】プランの方はプランに悩んでいらっしゃっており、【■プロジェクト1「あそびうた と あそぶ」(仮称)】、【■プロジェクト5物々交換or外国人体操】のプランを発表してくれたメンバーは欠席だったので、また次回経過報告をしたいと思います。

個人プロジェクトの進行としては、次回MTGまでにインタビューを始められる人は始めておくことになりました。

個人プロジェクト案以外については、IMMのホームページ作成について話しました。IMMの基本情報以外にも、WEB上のミュージアムとして機能するようなものにしていけたらと思っています。また、去年の「日本語不便図鑑」の情報もアップしていき、ウェブ上で見れるようにしていきたいと思っています。

また、名刺があるとインタビューをお願いするときとかに便利なので、IMMメンバーのIMM名刺を作成することになりました。

2回目のプレゼンを終えて、それぞれプランも色々変化してきました。みんなでディスカッションしているときのメンバーのみなさんのご意見もそれぞれ興味深いです。プランが変わってきたり、ディスカッションしたり、いよいよインタビューに入ったりと、プロジェクトがいよいよ本格的に動き始めつつあります。

今後もお楽しみに。